顧問弁護士~小さな会社こそ顧問弁護士




 

こんにちは弁護士の奥田です。
今日は、顧問弁護士「小さな会社こそ顧問弁護士」というサブタイトルでお話をしたいと思います。

顧問弁護士とは

弁護士というと、例えば何かの案件があった時に「それはうちの顧問弁護士に相談してまたお返事します。」そういう感じで、まぁちょっとかっこいいやつだとお思いかもしれませんが、顧問弁護士というのはそもそもなにかと言うと、会社などが弁護士と顧問契約を結ぶわけです。この顧問契約って一体なんだと言うと、平たく言えば、毎月一定時間の法律相談、これは無料でやります。その代わり一か月いくらという顧問料を頂きますよ、それからは多くの場合は電話なんかでの相談も一定時間の枠内であれば受け付けますよ、こういう契約になります。

ですので相談を超える個別案件、例えば相手の方と交渉をしたりとか裁判をしたりといったものは、また顧問契約とは別の契約ということになるんですけれども、多くの場合は顧問契約をしていただいていれば、こういう個別の案件についても普通の料金よりも割引しますよ、ということが多いと思います。

顧問弁護士のメリット

この顧問弁護士というのはどういうメリットがあるのか、ということですね。さきほど申し上げたように、個別案件(裁判とか相手との交渉とかを弁護士としてやるとき)の料金が割引になると申し上げましたけれども、そこのメリットというのはほとんど大したことはないというふうに思います。

気軽に相談できる

一番のメリットはまず、気軽に相談できるというところですね。顧問契約がなければ、ちょっと困ったからこれは弁護士に相談したほうがいいのかなどうなのかな、というところでまずしばらく悩んで、やっぱり相談したほうがいいというふうになったら、知り合いの社長に頼んでその人の知り合いの弁護士のところに相談に行くとか、あるいは今だったらインターネットを見て予約の電話をしてとかというようなことになるんですけれども、だいたいそうこうしてるうちに状態が悪くなったりすることが往々にしてあります。

それが顧問契約をしていて顧問弁護士がいれば、まずそもそもちょっと相談したほうがいいのかなどうなのかな、という段階で電話をかけて、今こういうことがあるんだけれども、これは先生のところに相談に行った方がいいですか?とか、あるいは電話口でこうしなさいっていうようなアドバイスぐらいでいいですか、といったようなところも含めて、まずやっぱり気軽に電話をかけて相談できる、これが一番大きいところだと思います。

早期の問題発見につながる

そしてその事によって問題発見につながるということになるわけですね。
身体の問題で言うと、例えば最近ちょっと心臓がドキドキするとかいったような時に、忙しいし病院に行った方がいいのかな悪いのかなっていうふうに考えてるうちに病状が進んじゃって、いざ病院に行った時にはもう大事になってるというようなことがあったりしますけれども、この法律の世界、トラブルの世界でも全く同じことが言えるわけで、やっぱりまず早く相談することで早い問題解決・問題発見につながる。

低コスト(時間、費用)で問題解決

早い段階であれば、低コストですね。時間的なコストとかお金の面でのコストとかについても、かなり低コストで問題解決ができるということになります。

本業に専念できる

そういった形で、「ちょっともう自分じゃよく分からん」という問題について弁護士に相談できることで本業に専念できる。普通の小さな会社だと、例えばこういう契約書でいいのかどうかとか、あるいは契約書を結ぶべきなのかどうかとか、そういうことからしてそもそも皆さん慣れてないから分からないわけです。それについて、ああであろうかこうであろうか、というふうに色々考えている時間がもったいない。それだったらすぐ顧問弁護士に連絡をして電話で相談するとか、そういったことでその問題については弁護士に任せて自分は本業に専念できるというところがあると思います。ここのメリットが非常に大きいと考えます。

小さな企業、診療所等でも

それで、小さな企業とか病院、診療所ですね。小さな診療所などでも顧問弁護士を付けるというのが最近非常に多いと思います。私の事務所でいうと、だいたいイメージとして約半分の顧問先は従業員10名以下の小さい会社です。中には従業員2・3名とか、あるいは社長のみで従業員はいませんという企業さんもあります。こういう小さな会社こそマンパワーが不足しているわけですね。社長が何から何までやらなきゃいけないとか、あるいは営業の2~3人で飛び回っている。こういう時に法律問題についてこの社長や数少ない従業員がそれにかかりきりになっているのも非常に大変なことですし、本業が疎かになるわけです。ですのでマンパワーの少ない小さな会社・企業こそ法律問題を顧問弁護士に相談できるメリットが大きいのかなと思います。

最近コンプライアンスということが非常に叫ばれるような世の中になってるわけですね。社会にあるトラブルも、これまでは人としての情とかそういう人と人とのつながりとかで解決されてきたというところもあるんですけれども、最近はなかなかそうじゃない。よくある例で言うと、従業員さんから未払いの残業代を払ってくれとか、従業員さんに辞めてもらったら解雇は無効だとか、そういうトラブルは昔はあまりなかった話ですけれども、今は皆さんの権利意識の高まりというのと、やはり紛争の解決がすべて法令が基準となって進んでいくといったようなところがあります。

ですので顧問弁護士というものをつけて、そういったものに備えておくという意識、これが非常に大事なんじゃないかなといふうに思います。このコンプライアンスとか法令遵守ということについては、今は大企業・上場企業などでは非常にやかましく言われて、大企業の従業員の方や管理職の方はすごくこのコンプライアンスの意識が高いんですけれども、それに比べてまだまだ中小の会社ではそういった意識が低い。この意識が高いとか低いとかがいいのか悪いのかというところは置いて、おそらく日本社会として、そういう法令遵守というところが、初めは大きな企業からだんだん小さな企業までやはり浸透していくのかなというふうに思いますので、法令でいろんなことが解決されるという流れに備えて、きちんと顧問弁護士をつけて日頃から相談しておけるような体制にしておくことは大事なのかなと思います。

顧問弁護士にかかる費用

最後に顧問弁護士にかかる費用がどうなのかというと、大体毎月顧問料というのが必要になってきます。企業ですね、企業・病院とかその他団体も大体月額3万円から。月額3万円で、例えば2時間とか3時間は相談はいくらでもしていいですよといったような内容だとか、あるいは個人だと大体月額1万円からというような形でさせて頂いてるところが多いのかなと思います。

これは法律事務所によって違うと思いますけれども、うちの事務所の場合でしたらそういう形で、例えば企業の場合には社長さんとか管理職の方だけではなくて、従業員の方からのプライベートな相談についても無料でお受けします。そうすることによって企業の福利厚生ということにもなるわけです。従業員さんからの会社関係以外のプライベートなことについての相談もできます。

個人の顧問先の場合には、その人だけではなくてその人のご家族からの相談もお受けできます。顧問料の範囲内でさせていただきますよといったようなこともしております。

それから最後に期間ですね。期間はうちの事務所の場合、どちらかが辞めるということであればいつでも止めて構いません。一ヶ月前に通知してとかそういうこともありますけれども、期間についてはいずれかがもうこれで終了ということであればそれでおしまいというような形で自由に途中でやめるということも可能になっています。そういう事務所も多いんじゃないかなと思います。ですので、こういった顧問弁護士はこれから企業経営とかをされるにあたっては、是非ご検討いただくのがよいかと思います。

今日の話は以上です。

著者プロフィール


奥田貫介 弁護士

おくだ総合法律事務所 所長
司法修習50期 福岡県弁護士会所属
福岡県立修猷館高校卒
京都大学法学部卒

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