不動産賃貸借契約というのは、貸主が借主に対し、目的となる土地や建物、建物の一部(マンションの一部屋等)を使用収益させることを約束し、これに対して借主が一定の賃料を支払うことを約束することによって成立する契約です。

賃貸借契約の具体的な内容は、当事者、すなわち貸主と借主とで協議をして決めていくものですが、一般的に定められる事項としては、賃料や管理費の額および支払い方法についての条項、賃料を滞納した場合に関する条項、敷金についての条項、契約期間とその更新についての条項、ペットの飼育禁止や楽器演奏禁止といった禁止条項、反社会的勢力排除のための条項、入居中に修繕が必要となった場合に関する条項、契約の解除に関する条項、特約事項についての条項などがあげられます。どれも後のトラブルを防ぐためには重要な事項ばかりです。

また、契約に際しては、当事者立ち会いのもとで、契約書の内容を読み上げて確認したうえで、契約書に署名・押印が行われる必要があります。その後、契約内容に応じて敷金や礼金、仲介手数料、初月分の家賃といった費用が借主から貸主に対して支払われ、貸主から借主に対しては目的物の引き渡し(通常は、鍵の受け渡しとなります)が行われて、通常、契約手続は終了となります。

以上のような基本的な手続に不備があった場合にはそれが後のトラブルに発展する可能性は高く、場合によっては契約自体無効ともなりかねません。また、きちんとした手続を経て行われた契約であっても、起こりうるトラブルというのは数多く考えられます。

生じうるトラブルのうち主なものについては以下にご説明することといたします。ここに挙げているもの以外であっても、素早く対処することによってよりよい解決が可能となりますので、まずは一度、ご相談ください。