【新型コロナウイルス感染症対策】「家賃支援給付金」が新設されました




新型コロナウイルス感染症にり患し、又はその影響を受けている方々におかれましては、心よりお見舞い申し上げます。
今回の動画では、今般コロナ感染症対策として新たに設けられた「家賃支援給付金」制度について、概要をご紹介したいと思います。

これまで、家賃支援関係の給付金は、自治体の休業要請に応じた施設に入っているテナント等が対象でしたが、
今回の制度は、賃料を支払っている中小企業・個人事業主で、一定の売上減少があれば対象となるようです。

1 国の制度として、「家賃支援給付金」が新設されました

⑴ 家賃支援給付金とは

新型コロナウイルス感染症を契機とした 5 月の緊急事態宣言の延長などにより、売上の
減少に直面する方々の事業の継続をささえるため、地代・家賃の負担を軽減することを目的として、賃借人(つまり、借主)である事業者に対して給付金を給付するものです。

⑵-1 給付の対象(主体)

ア 事業者

対象となる事業者は、資本金10 億円未満の中堅企業、中小企業、小規模事業者のことをいいます。
※なお、これらの企業・事業者については、一般的な会社(法人)のほか、医療法人、農業法人、NPO 法人、社会福祉法人なども幅広く対象となります。

そして、対象事業者のうち、原則として以下の全てにあてはまる方が、給付の対象となります。

① 2020 年 4 月 1 日時点で、次のいずれかにあてはまる法人であること。
ⅰ)資本金の額または出資の総額が、10 億円未満であること。
ⅱ)資本金の額または出資の総額が定められていない場合は、常時使用する従業員の数が 2,000 人以下であること。

② 2019 年 12 月 31 日以前から(※1)事業収入(以下、売上という。)を得ており、今後も事業を継続する意思があること。

③ 2020 年 5 月から 2020 年 12 月までの間で、新型コロナウイルス感染症の影響などにより(※2)、以下のいずれかにあてはまること。
ⅰ)いずれか 1 か月の売上が前年の同じ月と比較して 50%以上減っている
ⅱ)連続する 3 か月の売上の合計が前年の同じ期間の売上の合計と比較して 30%以
上減っている

④ 他人の土地・建物をご自身で営む事業のために直接占有し、使用・収益(物を直接
に利活用して利益・利便を得ること)をしていることの対価として、賃料の支払いをおこなっていること。

イ 個人事業主

 

対象となる個人は、フリーランスを含む個人事業主のことをいいます。

そして、対象者のうち、原則として以下の全てにあてはまる方が、給付の対象となります。

① 2019 年 12 月 31 日以前から(※1)事業収入(以下、売上という。)を得ており、今後も事業を継続する意思があること。

② 2020 年 5 月から 2020 年 12 月までの間で、新型コロナウイルス感染症の影響などにより(※2)、以下のいずれかにあてはまること。
ⅰ)いずれか 1 か月の売上が前年の同じ月と比較して 50%以上減っている
ⅱ)連続する 3 か月の売上の合計が前年の同じ期間の売上の合計と比較して 30%以
上減っている

③ 他人の土地・建物をご自身で営む事業のために直接占有し、使用・収益(物を直接
に利活用して利益・利便を得ること)をしていることの対価として、賃料の支払いをおこなっていること。

ア事業者・イ個人に共通するⅰ・ⅱの減収要件については、それぞれ以下のスライドで具体的なケース例をご確認いただければと思います。

※1 現在、2020年1月~3月の間に設立した事業者・個人事業主も給付対象として検討されているところです。
その申請要領については、今後随時公表されるかと思いますので、該当し得る方々は是非ご注意いただければと思います。

※2 売上減少が、新型コロナウイルス感染症の影響によるものではないことが明らかであるにもかかわらず、それを偽って給付を受けた場合、不正受給として何らかのペナルティが課される可能性があります。

⑵-2 給付の対象(契約・費用)

ア 契約

給付の対象となる“契約”は、原則として賃貸借契約です。
他方、売買契約・転貸(又貸し)を目的とした賃貸借契約などは対象外となります。

イ 費用

給付の対象となる“費用”は、原則として賃料・共益費・管理費です。
これら以外の費用・支出(たとえば、敷金・礼金、看板設置料、水道光熱費、保険料、修繕費、動産のリース料)などは対象外となります。

ウ その他条件

以下のすべてにあてはまることが条件となります。
① 2020年3月31日時点で、有効な賃貸借契約があること
② 申請日時点で、有効な賃貸借契約があること
③ 申請日より直前3か月の賃料の支払いの実績があること

※①と②の賃貸借契約は、別々のもの(ex.引越し、再契約)であっても対象になり得ますが、申請の時の提出資料として、それぞれの資料が必要となります。

⑶ 給付額

“申請日の直前1か月以内に支払った賃料”をもとに算定された金額が、給付額となります。
具体的には、以下のとおりです。

ア 企業・事業者(最大600万円)

 

以下の月額給付金(上限100万円)×6か月分

① 賃料が月額75万円以下の場合
賃料等 × 給付率2/3

② 賃料が月額75万円を超える場合
75万円以下の賃料などに相当する給付金(75万円×2/3=50万円

75万円を超える部分について、×給付率1/3
(ただし、月額100万円)が上限

イ 個人事業主(最大300万円)

 

以下の月額給付金(上限50万円)×6か月分

① 賃料が月額37.5万円以下の場合
賃料等 × 給付率2/3

② 賃料が月額37.5万円を超える場合
37.5万円以下の賃料などに相当する給付金(37.5万円×2/3=25万円

37.5万円を超える部分について、×給付率1/3
(ただし、月額50万円)が上限

※その他、複数月分の賃料をまとめて支払っている場合や、賃料が月ごとに変動する場合等、それぞれのケースに合わせて別途算定方法がありますので、ご相談いただければと思います。

⑷ 申請期間

給付金の申請の期間は、2020 年 7 月 14 日から 2021 年 1 月 15 日24時までです(企業・個人共通)。

⑸ 申請の手続方法

WEB申請です。
2020 年 7 月 14 日には、家賃支援給付金の申請ホームページが開設されますので、経済産業省のホームページを中心に、ご確認いただければよいかと思います。

【2020.7.14追記】
家賃支援給付金の申請ホームページが開設されました。
詳細は、同ページ(https://yachin-shien.go.jp/)をご確認ください。

2 福岡県の制度として、国の「家賃支援給付金」に上乗せする形の給付金制度が新設される予定です。

申請期間や申請方法については未定ですが、制度の趣旨からして、国の制度の対象となる方々は、凡そ自動的に福岡県の制度の対象になるものと思います。
申請方法は、こちらもWEBによる申請が基本となるようです。
今後、福岡県のホームページを中心に、ご確認いただければよいかと思います。

3 留意事項

現在、給付金関係の手続案内などをうたい、口座番号やマイナンバー等の大切な情報を得ようとする詐欺が発生しています。
今回ご紹介した家賃支援給付金をはじめ、給付金の申請手続において、個人メールやSNS等で案内が来ることは絶対にありません。
どうぞ、皆さまもご注意ください。