法律問題の番組などで耳にすることがある「名誉毀損」・「侮辱」といった言葉。どれも、他人から嫌な事や悪口を言われたようなケースで使われている、というようなイメージがあるのではないかと思います。では、これらの法律用語、具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。

名誉毀損について

名誉毀損罪(刑法230条)は、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損」することによって成立します。つまり、人の社会的評価(=名誉)を低下させるような具体的な事実を、不特定又は多数の人が知り得る状態(=公然)において、発言や文書等によって告げた(=事実の摘示)場合に成立すると理解されています。ですから、例えば、他人について「あの人には隠し子がいる」や、「前科がある」などと大衆の前で発言したり、ネット上に書き込んだりしたような場合です。

侮辱について

侮辱罪(刑法231条)は、「公然と人を侮辱」した場合に成立します。これは、不特定又は多数の人が知り得る状態(=公然)において他者の人格に対する単なる軽蔑の価値判断を表示(=侮辱)した場合に成立すると考えられています。
これは、例えば、他人について「あいつはバカだ」などと大衆の前で発言したり、ネット上に書き込んだりしたような場合です。

〈共通する点〉

名誉棄損と侮辱はどちらも、不特定又は多数の人が知り得る状態(=公然)であることが前提となっているということがわかります。よって、ただ単に友人同士の会話で誰かの悪評を述べたり、侮辱したりしても、基本的に名誉毀損罪や侮辱罪は成立しません。もっとも、近時では、ネット上(ブログや掲示板等)に他人の批判や悪口を書き込む、ということが考えられますね。ネット上の情報というのは基本的に誰でも閲覧できるものであるため、ネット上の書き込みは「公然」のものであると理解されることが多いといえます。

〈異なる点〉

他方で、二つの大きな違いは、「具体的事実の摘示」があった場合かそうでないか、ということになります。少しわかりにくいのですが、上記の例で言うと「隠し子がいる」「前科がある」というのは、それが真実であれ嘘の情報であれ一定の具体的事実関係に言及していることになります。しかし、「バカだ」というのは発言者の主観的評価であって、抽象的な表現にすぎません。この点が、名誉毀損罪と侮辱罪とを区別しています。

〈被害にあったら・・・〉

●刑事上の責任追及
上記の二つの罪はどちらも親告罪といって、被害者がこれを警察ないし検察に“告訴”することによって初めて事件として扱われる犯罪です。そこで、相手の刑法上の責任を追求しようとする場合は、告訴をしなければなりません。ですが、比較的軽微な犯罪であるために不起訴となる場合が多く、あまり現実的な手段ではありません。

●民事上の責任追及
そこで、通常は民事上の責任追及をしていくこととなります。名誉毀損罪も侮辱罪も、人の名誉に対する侵害行為が生じているため、不法行為(民法709条)があったものとして、損害賠償を請求することが可能です。

 

いずれにせよ、自分についての“社会的評価を低下させる事実”や“他者からの軽蔑の価値判断”が出回っていることを知った場合は、泣き寝入りをするのではなく立ち向かうことが可能であることを、ぜひ覚えておいて下さい。

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