弁護士・奥田貫介が不動産などの共有物の分割について、動画でご説明します。

こんにちは弁護士の奥田です。今日は共有物の分割ということについてご説明したいと思います。
共有物の分割はよくあります。よくあるのは不動産、土地の分割というような話です。
こんなケースです。ひとつの土地があって、この土地を A さん B さん C さんが1/3ずつの共有で持っているといったようなケースです。
こういうケースはよくありまして、まず一つ前提として確認しておきたいのは、この1/3ずつの共有という民法上の概念は、例えばどこかに線が引いてあって、一番左側は A さん、真ん中はB さん、一番右側は C さんという風な形ではなく、この全体について A さんB さんC さんがそれぞれ1/3ずつ持っているといったような話になります。

ちょっと分かりにくいかも分かりません。民法の249条では「各共有者は共有物の全部について、その持分に応じた使用することができる」ということですので、例えば持分1/3ずつであれば、この全部について1/3ずつの使用ができるということになっています。

ただ、こうした1/3ずつの使用というのは、非常に利用しづらいということになります。この土地の上にビルを建てたいとか、この土地を売却したいとか言っても、三人できっちり話し合いがつかないと、なかなか前に進まないということになるわけですので、例えば A さんとしてはもうこれを分けてしまいたいという風に思うことがあるわけですね。そうすると、民法上は民法の256条には「各共有者はいつでも共有物の分割を請求することができる」ということが書いてあって、例えば A さんは B さんと C さんに対し、ここで線を引いてこっち側は A さん、真ん中は Bさん、 一番右は C さんという風に分けましょうといったような話をするということになります。

それで話がつけば良いですが、例えば土地の場合は、こちら側に道路があるというような場合、みんな道路側が欲しい、道路側の方が価値が高いわけですから道路側が欲しい、一番奥なんか要りませんよ、そのような形でなかなか話し合いがうまくいかないということがあります。

共有物の分割について共有者間に協議が調わないときは、その分割を裁判所に請求することができる

そうすると、次に、民法の258条により「共有物の分割について共有者間に協議が調わないときは、その分割を裁判所に請求することができる」ということになります。 A さんとしては、 B さん C さんに話し合いを持ちかけたけれども、話し合いがつかないという時には、 A さんは裁判所に訴え出てこの不動産を分けましょうということができるということになります。

こういうケースは結構ありまして、先程の三者で揉めるといったようなケースの他に、 A さんと B さんは話し合いができるけれども、この C さんが行方不明だとか、あるいは C さんがもう亡くなっていて、その下の相続人がたくさんいて、とてもじゃないが皆で話し合いできないとか、こういったケースがあります。

そういう時には、 A さんはこの B さん C さんを相手取って裁判をする、ということになるわけです。そうすると裁判所はこの不動産を分けてくれるということになります。この分け方ですが、三つあります。

現物分割

一つは現物分割、この土地の現物を分けるということですので、具体的にはどこかに線を引くわけですね。線を引いて一番左から A さん B さん C さんとかいう風に分ける。
ただ、これも道路側が価値が高かったりしますので、面積を均等にすればいいという問題でもありませんから非常に難しい分け方になるケースがあります。

価額賠償

それからもう一つの方法として 価額賠償、これはどういうことかというと、この土地は全部 A さんのものにしてしまう、その代わり A さんは B さん ・C さんに対してこの土地の評価額、時価相当額の1/3ずつを支払う、このようにお金で払う、 A さんが B さん C さんの持分1/3ずつをお金で買い取る、そういったようなイメージになります。

競売

あるいは競売という方法もあります。話がつかない時は競売だと。もうこの土地を全部競売にかけるということになります。そうすると D さんという人が競売で例えば3000万円で落としたという場合には,3000万円を A さん B さん C さんで均等に分けてください、1/3ずつ分けてください、1000万円ずつ持って行って下さいといったような分け方になります。

ここでひとつ注意が必要なのは、この三つの方法のどれにするかというのは、最終的には、少し乱暴な言い方をすると裁判所が決めるということになります。

一応、現物分割が原則だという風に言われていますが、究極的には裁判所が裁判所の権限でどれにするか決めるいうことになります。ですから、例えば A さんが絶対自分が買い取るんだ、ちゃんと評価額の1/3ずつは払うから買い取るんだという風に言っても B さん C さんがそれじゃ絶対ダメだという風に言うと、現物分割、どこかで線を引くという方法かあるいは競売になるという場合もあると思います。

こういった共有物の分割というのはよくあることですけれども、なかなか先程言ったように土地の場合等は、どこで線を引くか、どういう分け方にするのか、ということで揉めることも結構ありますので、そういったような共有物の分割等の場合には、弁護士などの専門家にご相談いただければと思います 。

最終更新日:2018/09/10

著者プロフィール


奥田貫介 弁護士

おくだ総合法律事務所 所長
司法修習50期 福岡県弁護士会所属
福岡県立修猷館高校卒
京都大学法学部卒

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