② 保証・融資に関する情報(新型コロナウイルス)
目次
1 民間金融機関・信用保証協会による信用保証付融資について
⑴ セーフティネット保証
⑵ 危機関連保証
⑶ 利用手続の流れ
2 各自治体による制度融資について
⑴ 対象業者と支援内容
⑵ 利用手続の流れ
3 政府系金融機関(日本政策金融公庫、商工組合中央金庫等)による融資について
⑴ セーフティネット貸付(日本政策金融公庫)
⑵
ア 新型コロナウイルス感染症特別貸付(日本政策金融公庫)
イ 新型コロナウイルス対策マル経融資(日本政策金融公庫)
ウ 危機対応融資(商工中金)
⑶ 特別利子補給制度(日本政策金融公庫)★
4 新型コロナ特例リスケジュール ★
(令和2年度の補正予算の成立を前提としている(未確定の)情報を含む項目には、★マークを付しています。)
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1 民間金融機関・信用保証協会による信用保証付融資について
一般保証枠(最大2.8億円)
+
セーフティネット保証枠(最大2.8億円)・・・⑴へ
+
危機関連保証枠(最大2.8億円)・・・・・・・⑵へ
⑴ セーフティネット保証
概要
セーフティネット保証は、取引先等の再生手続き等の申請や事業活動の制限、災害、取引金融機関の破たん等により経営の安定に支障が生じている中小企業者への資金供給の円滑化を図るため、信用保証協会が通常の保証限度額とは別枠で借入債務を保証する制度です。
簡単に言うと、①経営や返済に困っている中小企業者の代わりに、信用保証協会が一括返済してくれる、または②現在借入れをしている融資とは別枠で、信用保証協会を通して融資を受けることができるものです。
新型コロナウイルス感染症により影響を受けている中小企業者への資金繰り支援措置として、4号・5号に関する発令が経済産業省よりなされています。
①対象事業者
<セーフティネット保証4号>
・市町村にてセーフティネット保証4号の対象事業者(実質、新型コロナウイルス感染症により影響を受けている全国・全業種の中小企業者)として認定を受けた事業者
かつ
・売上高等が前年同期比20%以上減少
<セーフティネット保証5号>
・市町村にてセーフティネット保証5号の対象事業者(※)として認定を受けた事業者
かつ
・売上高等が前年同期比5%以上減少
※国から指定されている業者。随時更新中。
令和2年3月31日時点の対象業種はこちら
(https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2020/200331_1_5gou.pdf)
②保証内容
極度融資額:2.8億円(4・5号の併用は可能ですが。同じ枠となります。)
保証割合 :・4号:借入債務の100%
・5号:借入債務の80%
保証期間 :10年以内
保証料率 :各保証協会、各保証制度ごとに異なります(おおよそ1%以内)
融資利率 :金融機関所定の利率
⑵ 危機関連保証
概要
危機関連保証とは、突発的に生じた大規模な経済危機、災害等の事象により著しい信用収縮が生じた中小企業者に対して信用保証協会が資金調達支援を行い、中小企業者の事業継続や経営の安定を図ることを目的とする保証制度です。
令和2年3月13日、経済産業省より、新型コロナウイルス感染症により影響を受けている中小企業者への資金繰り支援措置として「危機関連保証」が発動されました。
①対象事業者
・市町村にて危機関連保証の対象事業者として認定を受けた中小企業事業者
かつ
・金融取引に支障をきたしており、金融取引の正常化を図るために資金調達を必要としている
かつ
・新型コロナウイルス感染症に起因して、売上高等が前年同期比15%以上減少
②保証内容
融資限度額:2.8億円
保証対象 :セーフティネット保証とは別枠で、さらに100%
保証期間 :10年以内(据置2年以内)
保証料率 :0.8%
融資利率 :金融機関所定の利率
⑶ 利用手続の流れ(セーフティネット保証・危機関連保証 共通)
①取引のある金融機関または最寄りの信用保証協会へ相談
②事業の本店所在地の市区町村に、認定申請を行う。
③認定申請書を取得し、保証付の融資の申込みを行う。
※福岡県信用保証協会
〒 812 – 8555
福岡市博多区博多駅南2-2-1
TEL:092-415-2600
2 各自治体による制度融資について~福岡県の場合~
※他の自治体の制度融資については、別途お問い合わせください。
概要(福岡県HPより抜粋)
福岡県では、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている個人事業主を含む中小・小規模事業者の皆さまに対し、県の制度融資「緊急経済対策資金」による、資金繰り支援を行っています。
⑴ 対象業者と支援内容
ア 市町村にて「セーフティネット保証4号」の対象事業者として認定を受けた事業者
極度融資額:1億円
融資期間 :10年以内(据置2年以内)
融資利率 :1.3%
保証料率 :0%(県が0.8%分を全額負担)
対業種種 :セーフティネット保証4号の認定を受けた全業種
イ 市町村にて「セーフティネット保証5号」の対象事業者として認定を受けた事業者
極度融資額:1億円
融資期間 :10年以内(据置2年以内)
融資利率 :1.3%
保証料率 :0.7%
対業種種 :587業種(令和2年4月8日現在)
ウ 市町村にて「危機関連保証」の対象事業者として認定を受けた事業者
極度融資額:1億円(⑴⑵とは別枠)
融資期間 :10年以内(据置2年以内)
融資利率 :1.3%
保証料率 :0%(県が0.8%分を全額負担)
対業種種 :全業種
⑵ 利用手続の流れ(ア~ウ共通)
①セーフティネット保証・危機関連保証の認定を受ける。
②「緊急経済対策資金確認申請書」に必要書類を添えて、中小企業振興課へ提出する。
3 政府系金融機関(日本政策金融公庫、商工組合中央金庫等)による融資について
概要
社会的、経済的環境の変化など外的要因により、一時的に、売上の減少など業況悪化を来しているものの、中長期的には、その業況が回復し、かつ、発展することが見込まれる中小企業者の経営基盤の強化を支援するための各種融資制度です。
(金利ごとに区分)
1.基準金利
・セーフティネット貸付 ・・・・・・・・・⑴
↓
2.金利を0.9%引き下げ
・新型コロナウイルス感染症特別貸付
・新型コロナウイルス対策マル経融資 ・・・⑵
・危機対応融資
↓
3.実質無利子融資
・特別利子補給制度 ・・・・・・・・・・・⑶
⑴ セーフティネット貸付(日本政策金融公庫)
①対象事業
本来であれば、「売上高5%以上減少」といった数値的要件がありますが、新型コロナウイルス感染症の影響をふまえ、貸付要件が緩和された結果、今後の影響が見込まれる事業者も含めて融資対象となります。
②内容
融資限度額:(中小)7.2億円 (国民事業)4800万円
貸付期間 :(設備資金)10年以内
(運転資金)8年以内 (※うち据置期間:いずれも3年以内)
金利 :基準金利(中小)1.11%
⑵ 新型コロナウイルス感染症特別貸付、新型コロナウイルス対策マル経融資、危機対応融資
ア 新型コロナウイルス感染症特別貸付(日本政策金融公庫)
①対象事業
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、次のいずれにも当てはまる方
・売上高5%以上減少またはこれと同様の状況にあること
・中長期的にみて、業況が回復し、かつ、発展することが見込まれること
②内容
融資限度額:3億円
貸付期間 :(設備資金)20年以内
(運転資金)15年以内 (※うち据置期間:いずれも5年以内)
担保 :無担保
金利 :基準金利(中小)1.11%
ただし、1億円を限度として融資後3年目までは基準利率を0.9%引き下げ。(1.11%→0.21%)
イ 新型コロナウイルス対策マル経融資(日本政策金融公庫)
①対象事業
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、次のいずれにも当てはまる小規模事業者の商工業者
・売上高5%以上減少
・商工会議所、商工会または都道府県商工会連合会の実施する経営指導を受けており、商工会議所等の長の推薦が得られた事業者
②内容
融資限度額:通常のマル経融資とは別枠で1,000万円
貸付期間 :(設備資金)10年以内 (※うち据置期間:2年以内)
(運転資金) 7年以内 (※うち据置期間:1年以内)
担保 :無担保
金利 :経営改善金利1.21%より、融資後3年間は0.9%引き下げ。(1.21%→0.31%)
ウ 危機対応融資(商工中金)
①対象事業
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、一時的な業況悪化を来し、売上高5%以上減少の方
②内容
融資限度額:3億円
貸付期間 :(設備資金)20年以内
(運転資金)15年以内 (※うち据置期間:いずれも5年以内)
担保 :無担保
金利 :基準金利(中小)1.11%
ただし、1億円を限度として融資後3年目までは基準利率を0.9%引き下げ。(1.11%→0.21%)
⑶ 特別利子補給制度(日本政策金融公庫)
①対象事業
上記⑵の3制度(ア〜ウ)により借入れを行なった中小企業者等のうち、以下の要件を満たす方
・個人事業者 :要件なし
・小規模事業者:売上高15%減少
※製造・建設・運輸・その他業種は従業員20名以下
※卸売業、小売業、サービス業は従業員5名以下
・中小企業者 :売上高20%減少
②内容:利子補給
期間 :借入後当初3年間
補給対象上限:(日本公庫等)中小事業1億円、国民事業3,000万円
(商工中金) 危機対応融資1億円
※利子補給上限額:新規融資と公庫等の既往債務借換との合計金額
4 新型コロナ特例リスケジュール
概要
新たに新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小起業に対し、中小企業再生支援協議会(47都道府県に設置されている国の公的機関で、中小企業の事業再生に向けた取り組みを支援しています。)が、窓口相談や金融機関との調整を含めた新型コロナウイルス感染症特例リスケジュール計画策定支援を行います。
⑴ リスケジュールの内容
①一括して既存債務の元金返済猶予要請
資金繰りに悩む中小企業者に代わり、主要債権者の支援姿勢を確認の上で、一括して1年間の元金返済猶予の要請を実施します。
②資金繰り計画策定における金融機関調整
中小企業者と主要債権者が作成する資金繰り計画の策定を支援します。複数の既往債権者が存在する場合、新規融資を含めた金融機関調整を行った上で、既往債権者の合意形成をサポートします。
③資金繰りの継続サポート
特例リスケジュール計画成立後も、毎月資金繰りを継続的にチェックし、適宜助言します。
(①~③について中小企業者の費用は原則不要です。)
⑵ 特例リスケ後のサポート(※令和2年度補正予算の成立が前提となります)
特例リスケ後、本格的な再生支援を希望する中小企業者に対し、改めて、リスケジュール計画を含む再生支援を実施します。事業再生計画策定に必要な費用(DD費用など)の中小企業者の負担割合を引き下げます。
以上の他にも、業種・事業規模によって融資制度を受けられる場合があります。