「振り込め詐欺」の犯罪手口が年々複雑化、巧妙化していることをご存知でしょうか。警察が取締りを強化すれば、犯罪者集団はその捜査をくぐり抜けるような手段を考えて新たな手法で「振り込め詐欺」を行うようで、警察と犯罪集団のいたちごっこのような状態となっています。そして、その結果が手口の複雑化、巧妙化というところに現れてしまっているのではないかと感じます。

たとえば、騙した相手から金銭を受け取る際に犯罪者本人が受け取りに行ったのでは、実は既に警察に通報されていたという場合にあっさりと逮捕されてしまうことになります。このような逮捕のリスクを避けるため、被害者からの現金の受け取り等にはその辺りの通行人など何も知らない第三者を雇う、というような手口が使われているようです。
ところで、このような手口で犯罪が行われた場合、誰がどのような罪に問われることになると思いますか? 今後、「振り込め詐欺」に対する危機感をもっていただくためにも、一連の「振り込め詐欺」のうちのどの行為が、犯罪行為にあたるのか確認しておきましょう。

まず、最も単純な「振り込め詐欺」を想定すると、相手に電話をかけ、嘘の情報を伝える等して相手を騙し、騙した相手からお金を受け取ったり、銀行口座に振り込ませてそこから引き出したりする、という一連の流れがあります。
このうち、被害者に電話をかけて騙し、お金を支払うよう促す役のことを「かけ子」といいます。次に、被害者から直接お金を受け取る役のことを「受け子」といいます。最後に、被害者が振り込んだお金を銀行ATMなどから引き出す役のことを「出し子」といいます。もちろん、これが犯罪に関わっている者の全てではないと思いますが、基本的にはこれらの役がしっかりと役割分担されたうえで、詐欺行為が行われていると言えるでしょう。

そして、「かけ子」と「受け子」は、人からお金を騙し取るという行為を行っているため、通常、詐欺罪が成立します。詐欺罪の刑罰は、1か月以上10年以下の懲役です。これに対し「出し子」は、ATMから不正に現金を盗んでいるため、銀行に対する窃盗罪が成立します。窃盗罪の刑罰は、1カ月以上10年以下の懲役か50万円以下の罰金です。

もっとも、上記の例でみたように、犯罪者が、被害者からの現金の受け取りやATMからの引き出しにその辺りの通行人などの第三者を雇うというような場合、犯罪者が第三者に対して「お金を騙し取ろうとしているから、受け取ってきてくれ」と言うことはないでしょう。おそらく、巻き込まれた第三者自身が何らかの方法で騙されていること、すなわち、いきなり見知らぬ人から指示を出されて言われるがままに動いたら実は「受け子」や「出し子」の役をやってしまっていただけで、お金を騙し取ったとは思っていなかった、というケースがほとんどかと思います。
そのような場合、「受け子」・「出し子」となってしまった人は「違法行為だと知らなかった」ことを主張しますが、薄々おかしいなと気づいていたのであれば、罪に問われる可能性もあるでしょう。

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