扶養義務の程度

 自らの資産や労力だけでは独立して生活を維持できない者に対する援助のことを、「扶養」といいます。そして、身近な誰かを「扶養」することが法律上の義務とされている場合があります。夫婦間の扶養義務や、親の未成熟子(経済的に自立していない子)に対する扶養義務、あるいは老親に対する子の扶養義務、兄弟間の扶養義務などです。

 たしかに、扶養を必要とする人には、生活保護といった公的な扶養も行われます。しかし、まずは家族や親族で助け合うことを法は前提にしているため、扶養義務を負う者(扶養義務者)は、助けを必要とする家族・親族に対して、一定の援助をすることが求められるのです。

 そうだとすると、ある働き盛りの男性が、妻は専業主婦であるため稼ぎはない、未成年の子がいる、さらに、親が介護を必要としているうえ、兄弟に病気で働けない者がいる、という状況にあるとき、皆に対して同等に面倒をみなければならないということになるのでしょうか?

 実は、扶養義務の程度には「生活保持義務」と「生活扶助義務」の2種類があると考えられています。

 「生活保持義務」は、扶養義務者に、自分の生活を切りさげてでも、自己と同程度の生活を“扶養すべき者”に与える義務を負わせるもので、親の未成熟子に対する扶養や、夫婦間の扶養については、この「生活保持義務」があると考えられています。

 よって、上記の例でいえば、男性は、妻と子に対しては、必要最低限の援助をするだけでは足りず、自分の生活と同程度の生活をさせなければならないということになります。

 これに対し、「生活扶助義務」は、相手が最低限の生活をできない状態にあり、かつ、扶養する者に余力がある場合に発生する義務をいいます。老親・祖父母・孫・兄弟・3親等内の親族に対する扶養義務は、この「生活扶助義務」であるとされます。

 したがって、上記の例の男性が、自分と妻と子の生活を確保したうえで、なお余力があるといえる場合に、老親や兄弟を扶養する義務が生じるのだ、ということになります。

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